コーディネーターが語る、成婚ストーリー

北島のプロフィール紹介

女性会員のカナ様(仮名)は、ご就職先は関西だったのですが、お生まれもお育ちも東京なので東京の方と結婚したいというご希望から東京でご入会されました。

女性が遠方にお住まいというのは、男性には敬遠されがちです。会いたいときにすぐ会えないというだけでなく、男性側の費用の負担も大きくなってしまいます。でも、カナ様は東京のご実家にも頻繁に帰られていましたし、思っていたよりお見合いはコンスタントに組めていました。

カナ様とお見合いをすることになったアキラ様(仮名)はシステムエンジニアで、見た目の印象が良いだけでなく高学歴で年収も高く三男坊というのも人気で、お申し込みはかなり入っていらっしゃいましたが、ご本人様の積極性が感じられないのが少々気がかりな点ではありました。
というのも、ご両親様が男3人兄弟の末っ子のアキラ様だけがまだ独り身なのをご心配して当社にご連絡をされてご入会に至ったという経緯がありましたので、ご本人様の気持ちが追いついていないというのもあったと思います。
とはいえ、お見合いをしたお二人は連絡先交換となりましたし、カナ様も結婚が決まれば会社を辞めて東京に戻ってくるとおっしゃっていましたので、とくに大きな障害はないだろうと思っておりました。

交際中のお二人に定期的に状況や心境などをお伺いしていたところ、カナ様からはデートのお話などをご報告いただけるのですが、アキラ様のほうはまったくそういった問いかけに答えていただけない状況が続きました。

そもそもシャイでおとなしい性格の方ではあるのですが、メールをお送りしたり、お渡しする書類にお手紙を添えたりしてみてもまったくの無反応。もしかするとうまくいってないのかもとその度心配になるのですが、カナ様とお会いにはなられていらっしゃるようでした。

カナ様はアキラ様に会うために東京に日帰りでも遊びに来られていましたし、お話のなかにもアキラ様に好意を持たれているのが伝わってきました。でもアキラ様の気持ちがはっきりせず、デートを重ねても距離が縮まらない状態が続いていたようです。

アキラ様はご両親にも何もお話していないようで、そのうちご両親からも私に「息子から何か聞いていませんか」とお電話がかかって来るようになりました。
お父様は私に連絡することをお母様に止められていらっしゃるみたいで、内緒でかけてこられていたようですけど(笑)。

お父様はご子息様がこのまま煮え切らない状態でお相手の女性をお待たせしてしまうのが申し訳ない、待ちくたびれてお相手が離れていってしまったときに息子は彼女をちゃんと引き止めることのできない性格なのでうまくサポートしてほしいとおっしゃられました。本当に人情味のある温かい人柄のお父様でした。

そのうちカナ様のお母様からもお電話がかかってくるようになりました。
結果的にはお二人両方の親御様とやり取りをしながら、私もアキラ様へのメールなどは返信がなくても続けておりました。

そんなある日、カナ様のお母様から電話があり、胸騒ぎがしてお電話に出たところ、カナ様がアキラ様に「どうしても決断ができない、他にいい人を見つけたほうがいいかもしれない」と言われてしまい、デートから泣いて帰っていらしたということでした。
お母様もすごく辛そうにしていらっしゃいました。

そんなことがあってからも、カナ様はアキラ様のことが諦め切れずにいたようです。
そこまでアキラ様のことを想う女性がこの先に現れるかわからないですし、もう一度彼女とのことを考えて見ませんかということは私もアキラ様にお伝えし続けていました。

しばらくして、アキラ様のほうからお電話がかかりました。
ご実家の電話番号でしたのでてっきりご両親様からだと思いましたらめずらしくアキラ様ご本人からで、「まあ!」と驚いてしまったんですけど、お話を聞いてまた驚きました。「彼女との結婚を決めました」というお電話だったんです。

それからはこれまでが嘘のようにとんとん拍子でした。決意された後のアキラ様の行動は本当に素晴らしく、カナ様のご家族とも良い関係を早々に築かれていかれました。

ご家族の気持ちであったり、私からの多少なりとものプレッシャーというのもあるかなとは思うのですが、最終的にはカナ様の辛抱強さと気持ちの強さが勝ち得た成婚なのかなと思いますね。
長くこの仕事をしておりますが、このお二人のことは強く印象に残っています。

親御様からのおすすめだとしてもご本人様との契約になりますので、基本の姿勢としてはいくら親御様のお問い合わせであってもお子様の活動内容をお伝えすることはできないことになっています。
ただ、そうは言っても親子のコミュニケーションが取れていないと会員様と私たちの信頼関係を崩してしまうところもありますので本音と建前の見極めというのが必要になってくるのかなと。

このお二人についてはめずらしく両方の親御様が関わってこられましたが、皆様がすごく良い方で、私のことを信頼していただけたこともあって、親御様とも気持ちが通い合えたように思えました。
じつは、カナ様のお母様からお二人の2年目の結婚記念日の翌日にお電話をいただいたんです。

ご実家を訪れた二人の幸せそうな姿を見ていたら北島さんを思い出してお電話してみましたと言ってくださって。
本当に嬉しくて、これほどコーディネーター冥利に尽きることはないと思いました。

お母様も本当の息子のようにかわいくてたまらないとおっしゃっていたのがとても微笑ましく、本当にぴったりなお二人が幸せになられて、時間をかけてお世話をした甲斐があったなぁとしみじみと感じました。

当社の誇りにすべき点はコーディネーターの手厚いケアだと自負しておりますし、私たちは皆そのことにプライドを持っています。
プロとしてというより一人の人間として会員様と向き合いながら、丁寧にお世話をしていきたいという思いを常に忘れないように心がけています。

カナ様のお母様から娘様ご夫婦の結婚記念日にお電話をいただいたとき、私は自分の仕事のやり方はこれでいいのか、今後自分はどうしていけばいいのかと悩んで行き詰っていた時期でした。
でも、お母様の温かいお礼の言葉が心に染みて、初心に戻れたような気持ちになれました。

そこまでコミュニケーションの取れた関係を築くのは簡単なことではないですし、会員様の人生の大事な部分を委ねていただいていると思うと、その責任の重さに押しつぶされそうになることもありますが、それがこの仕事の醍醐味でもあります。

成婚カップルには一組一組それぞれの成婚エピソードがあるんですよね。
ひとつひとつ決して機械的な流れ作業にならないように、会員様との距離感をできるだけ縮めて、先回りしてフォローして差し上げられるような人間味のあるコーディネーターでありたいと思います。